dimanche 13 juillet 2014

~お稽古メンバーブログ ⑤~

私が茶道を始めたきっかけは、大学の茶室に一目惚れをしたからだった。
 東京の外れにある大学に通っていたとき、友人に誘われて何となく見学に行った茶道部。茶道部は、大学キャンパスの隅にある「泰山荘」で活動していた。普段授業を受けている建物からは、徒歩10分程かかるので、私は、それまで足を踏み入れたことがなかった。「泰山荘」は、キャンパス内にある、日本庭園で、門は茅葺き、庭園、そしてやはり茅葺きの待合、その他いくつかの日本家屋から成り立っている。(写真はこちら:http://subsite.icu.ac.jp/fundraising/pdf/taizanso.pdf )
 とても美しい静かな場所だった。
 「泰山荘」は、忙しい大学生活の中で、茶道を通して、月に数回心を落ち着かせる場所を私に居場所を与えてくれた。
 正直に言って、子供の頃はあまり美味しいと思ったことがなかった和菓子やお茶も(子供の頃は、洋菓子や紅茶の方が好きだった)、大学生になった私には、美しさと繊細な甘さを理解できるようになり、とても好きになった。
 また同時に、茶道部員として、茶会の企画や運営に関わることにもなった。日頃の稽古の準備、炭洗い(冬は寒い)、泰山荘の掃除(森の中の庭を掃き清めるの大変)は、今になって考えれば、よい精神修行だったと思う。茶会の運営は、効率的かつ臨機応変な接客を学ぶことができた。文化財(高風居)の保護修復活動に携わることもできた(そして、その文化財のお茶室で、お茶会をする機会にも恵まれた)。
 茶道は、私の大学生活の大切な一部となっていた。

 少し皮肉だったの、私は、授業の多くが英語で、国際的な教育で有名な大学に入学し、国際経済を専攻していたのに、そこで、茶道を習い始めたことだった。そして、社会人になって一度中断していた茶道を再度再開したのも、パリだった。日本から離れて、茶道を再開した。多分、私にとって茶道は、自分の日本人らしさと日本以外の文化のバランスをとる重要なツールなのだと思う。
 ではなぜ、他の伝統芸能や武道ではなく、茶道なのか。まず、言えるのは、茶室に始まる日本建築の美と茶道具の美しさが、欠かせない。二点目は、美しく美味しい茶菓子。美味しいものが大好きな私には、大切な点だと思う。また、茶事の時の懐石は忘れられない。三点目は、私はお客様を迎えるための準備が好きなのだと思う。物理的な水屋仕事と、お茶を点てるを時の精神的な準備。お茶会や茶事の時の事前の準備。茶道は、これらすべての点が、重要で、まだとても日本的であると思う。しかし同時に、美も、美味も、一期一会のための準備も、日本という文化に留まらず、世界共通、どの国に行っても受け入れられる、普遍な価値観とも言える。だから、茶道は、私の中で文化のバランスをとる役目をしてくれるのだと思う。
 そして、これからも、茶道は私の生活の大切な一部であり続けると思う。
瑞恵

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